二十面相の娘 第一話「扉」感想

颯爽と退散!

 春アニメをガシガシ録画して、片っ端から見ている。その中でもこれはいいと思ったのをピックアップ。『二十面相の娘』はあの有名な江戸川乱歩の「怪人二十面相」からアイディアを得ている小原愼司の漫画作品原作のアニメ。実は友人が小原愼司の作品をいくつか持っていて、それがお気に入りだということだったので、「二十面相の娘」のアニメ化を見つけたとき、個人的にはwktkしていた。ってことで早速レビュー。言っておくが、かなり気に入ったw
(↓ネタバレ)

さくっとストーリー

 時代は戦後復興を遂げた日本だと思われる。街角にはノスタルジックな建造物や白黒テレビがまだ贅沢品だったころ、一人の泥棒が世間の話題の的となっていた。人はそれを「二十面相」と呼ぶ。変装の達人で二十の顔をもち、だれもその正体を知らないと。そんな二十面相が、今夜もとある富豪の宝を狙う。予告状を出し、大胆不敵な演出、そして誰も傷つけずに仕事をやってのける二十面相。そして、その盗んだ相手の不正をも晒してしまうという。
 そんなニュースを一人で見ていた美甘千津子は大富豪の娘。両親に先立たれ、叔父と叔母に引き取られ生活をしているが、叔父と叔母は実際には千津子の受け継いだ莫大な財産目当てであり、笑顔の仮面を被っていた。千津子は、11歳ながら、数々の探偵小説を理解できるまで読み、自分の食事に少しずつ毒をもられていることを悟る。そんなある日執事の河居が何も食べない千津子の為に叔父と叔母に内緒でおでんを買ってきた。それを機に千津子は少しだけ河居と話すようになる。自分の正直な気持ち、「ここではないどこかへ行きたい」と打ち明けるのだが、毒による衰弱によって倒れてしまう。「心配」してかけよる叔父叔母夫婦に、千津子は吹っ切れる。毒をもられていること、財産が目当てだということ、しらを切っても仮面の笑顔に現れてしまう叔父叔母夫婦。そんな時に突然知らない声が...。河居は変装を解く。
「豚の餌は豚にこそふさわしい。自慢の料理なら自分が食べるがいい。なんなら、秘蔵のスパイスをもっと加えるかね。」
変装の中から現れたのは上品な顔立ちのジェントルメン。そしてその手には、叔父叔母が千津子の料理にもっていたと思われる毒の瓶。彼こそが二十面相と圧倒される叔父と叔母を尻目に、二十面相は千津子に問う。
「千津子くん、どうしたいかね」
そして千津子は答える。
「おじさんと一緒に行きたい!」
そうして、驚愕の表情のまま動けない叔父と叔母の間を抜け、千津子は外の世界へと旅立つ。
 
 通報された二十面相は瞬く間に多くのパトカーに追われる。上手く切り抜けるものの、最後に9台ものパトカーに追われてしまう。そんなところを仲間と思われる二人が道をせき止め、なんとか振り切った。仲間は家族、そして千津子をチコとして迎え入れた。そう思った瞬間、「虎」と呼ばれる武装した強盗が二十面相の車両を襲う。闇の世界の住人である者には常に敵が存在する、そんな敵の一人なのだ。間一髪のところで、飛行船が出現し、縄ばしごを伝って二十面相たちとチコは難を逃れる。夜の街を縄ばしごから見下ろす二十面相とチコ。
「君を支配していた家も、あの無数の明かりのうちの一つさ。こうしてみると世界なんてちっぽけだろ。私たちは近いうちにこの国を出る。世界を見に行くかい?チコ。」
そしてチコは笑顔で答える。
「はい!」
「やっと笑ったね。」
そして、チコと二十面相一味の物語が始まるのであった。

絵が良い!

 原作をちらっと見たのだが、絵が全然違う。原作も原作で良いのだが、アニメもとても良い。簡素すぎず、しつこすぎない絶妙なキャラクターデザインと色合い、雰囲気がとても好きだ。とくにこのチコの表情は、憧れと切なさと困惑を含んだ傑作だと思った。

声が良い!

 二十面相役の内田夕夜さんの声がライト過ぎず渋すぎない良い声。そしてかっこいいww いやー男の自分が言うのもなんだけど、良いものは良い。あー、ホント自分もこういう素敵なおじさまになりたいなー。そして、今回はあまり喋らなかったがチコ役の平野綾さん。まぁ、彼女はどんなキャラでもやってのけるでしょう(^^;今回またしてもGJな感じ!

音楽が良い!

 時代設定的にとても合った、スリリングでかつノスタルジックな楽曲。これはまたサントラ買ってしまう勢いかなw