機動戦士Zガンダム・星を継ぐ者

adrastea2005-06-06

うーむ・・・。観てきた。観て来たが、TVシリーズをn回*1観ている自分としては少々納得がいかない。ファーストガンダムの「TVシリーズ=>映画」化に関しては、TV特有のマンネリ現象...というといささか失礼かもしれないが、毎度のようにAパーツとBパーツの合体シーンや、本編とは少しズレたところにある小エピソードなどをカットした分、物語のエッセンスに集中できるようになったと思う。
うーむ、通常ならばネタバレしない主義なのだが、これ以降、この映画について語るにはどうしてもネタバレが必要・・・故、許してください。

以下ネタバレ注意!

物語に関して・・・

Zに関しては、個人的はTVシリーズに既にあまり無駄がないと考えている。あえて挙げるならば、TV版ではエウーゴジャブロー降下作戦より前のアーガマの航路が、やれグリーンノア、やれ地球(ここでレコアが降下)と思ったらサイド4宙域を通ってサイド1・30バンチ、そして月面とやたらと忙しく、追うのが大変だったというのがある。

「女の名前なのに・・・なんだ男か。」

ジェリドのその後の運命を決めてしまう発言のシーンが大胆にカットされていた。映画版ではカミーユの名前へのコンプレックスをさほど取り上げたくないのだろうか?ってことは映画版カミーユに性格改革が施したかったのかもしれない。子供としての自分、パイロットとしての背伸びをした自分との間の矛盾や、それを指摘する大人達との言い争いも少ないような気がする・・・。ところでウォンさんは?*2

30バンチ事件

かといって、劇場版のようにエマの30バンチ見学をさらっと「ビデオ化」*3してしまうのもどうかと思う。これに関連してだが、ライラの扱いがあまりに軽い・・・。『30バンチ』を受け入れたエマと、『30バンチ』を否定したライラとで、その後の運命が決定的に変わり、だからこそTV版のライラの最期の言葉に意味があるのだと思う。ここはおそらく監督やスタッフも相当悩んだところだとは思うが、時間短縮には仕方がなかったのだろうか・・・。

レコアは何のために?

今回は、レコア降下直後にジャブロー降下となり、レコアが投下される意味が薄れてしまう。「あんな辱めを受けて...」というセリフもカット。新映像部分のレコアさん、前より素敵になっちゃった。にしてもコートを左右にフリフリしたのは何のためだったのか?「大尉におしりを触られ」ようとしていた?!(爆)

いらぬ会話

アウドムラに乗り移ったハヤトとカイが再開する。カイがハヤトを引き込んでクワトロ=シャアの話をする部分は、カイのカイらしさが出ていて良いと思う。しかし、これを聞いてカミーユがクワトロがシャアだと気付くというのはどうも納得がいかない。ここはTVシリーズの進行が実に自然で見事であるといえる。ニュータイプとして覚醒してゆくカミーユが自然と気付いていき、その流れがあるからこそ「歯を食いしばれ!そんな大人修正してやるーっ!」*4があるのではなかろうか・・・。

「君はシャア・アズナブルという男を知っているかね。」

クワトロがシャアについて語るシーンが大幅変更されている。これはおそらくこの映画版最大の変更点、というか見せ場なのではないかと思っている。まずはあの意味もなく暗い部屋がバックグラウンドモニタになっていて、森林モードに切り替えられた。クワトロ自らシャアの事を口に出さず、エマが話し出す。クワトロにほんの少しだけ動揺が走る様が見事だ。しかし、なんというかセリフ回しがちょっと混乱を招く。これはもう一度聞き直さないと正確な意味がつかめないかもしれない。

映像について

デジタル処理により、TVシリーズからの映像をより鮮明に、もう一方の新映像に粒子感を出し、なるべく自然なつながりを試みた本作。スタッフの方々には悪いが、バレバレでした。そして正直言ってしまうとかなり気になった。辛口ですみません。

顔・目

まず、みんな顔が違い過ぎだ・・・。目の大きさと目と目の間の距離がとても気になった。気にならなかったのはサングラスをかけているクワトロくらいだろうか?それと、カミーユの表情がTVシリーズと比べてinnocent過ぎる。ここにも若干の性格改革の影響が出ているのだろうか?

レコアさん、エマさん

まぁ、美しくらなれて・・・。*5と思ったら元に戻って・・・。あー、また美しい。また元に。やはり見た目が違うと相当気になる。レコアさんは、より大人のお姉様になられたし、エマさんは前から好きだったけど、新映像のエマさんは目がとっても美しい。良い目つきをしている。でもちょっと髪型が・・・(笑)にしてもレコア(23歳)、エマ(24歳)は無いだろう・・・。

シャア・アムロ

彼らの新映像はなぜかあまり違和感がない。それもそのはず、ショックは既に一度「逆襲のシャア」で味わっているからであろう。ファーストと逆シャアの間という意味で、なかなか映画館で観る分には好感が持てる。再会のシーンは鳥肌が立ってしまった。

全体

観ていて、まず全体的にテンポがとても速い。次から次へと物語が流れ、次から次へと戦闘へかり出される。カミーユの戦闘への葛藤などがまるで無い。少なくとも、この作品ではファと喧嘩したシーンのみだ。
いくつかのエピソードをまるまる一つの戦闘シーンで片づけるのはいいが、物語を語るに当たってちょっと詰まり過ぎている感がある。フランクリンは人質じゃなかったのか?レコアはなぜ降下したか?ジェリドはなぜライラに「ありがとう」と言ったか?マラサイは何時手に入ったか?疑問を挙げていくとキリがないような気がする。
ファーストの劇場版は時間短縮に気をとられていたのは同じだと思うが、Zよりかは少し落ち着きがあるように感じる。

*1:n>3

*2:Z名物「修正」は?

*3:資料映像(笑)です。

*4:自分がZでもっとも好きなセリフ

*5:あらかじめ言っておくが、自分が一番好きなのはハマーン様です。